デル株式会社
Sony Style(ソニースタイル)

2007年10月24日

さよなら、そしてこんにちは



ビーケーワン(BK1)書店で購入


時代に翻弄される人たちの可愛しさ、哀しさを描く。ユーモアあふれる軽妙洒脱な文章で綴る、書下ろし一作を含めた短編七作。
「血液サラサラ!ブルーベリー三十粒で、バナナ二本分、納豆ニパック分」
スーパーマーケットに勤務する松田孝司は、食品課・非生鮮係長。加工食品や菓子などの売場責任者だ。主婦をターゲットにした高視聴率番組で紹介される商品は、翌日の売り上げに確実に跳ね返ってくる。自分の血がドロドロだろうがサラサラだろうがいっこうに構わないのに、メモまで取りながらテレビを見るのを習慣にしている。その日、ライバル店では朝からブルーベリー関連が店先に山積みになっていた。CMスポンサーである大手には、事前にテレビ番組の情報が流され、仕入やプロモーション展開に活用するという話は知っている。松田は、事前に情報をキャッチすることはできないか、「関係者」を探した。そして遂に、肩書きはプロデューサー、昼のワイドショーを放送しているテレビ局の名が燦然と刻まれた名刺を差し出す男と知り合った・・・・・・。
「スーパーマンの憂鬱」
「寿し辰」の主人、戸花辰五郎は、いつにも増して不機嫌だった。カウンター向こうにで不景気な面を並べた客たちを、酢の加減を舌で確かめる時のように顔をしかめて見下ろし、ふんと鼻を鳴らす。月末の木曜日。本来なら稼ぎ時なのだが、相変わらず客といえば、貧乏ったらしくゲソを肴にちびちびビールを飲んでいる常連客三人と、若い男女の二人連れ。常連客の一人は、「やっぱりマスコミに出ると、客筋が悪くなるよ。ねぇ」などとゲソをしゃぶりながら講釈をたれている。その「ねぇ」は自分に向けられている。辰五郎は、なぜ客が来ねぇと毎日のように尋問し続けていたのだ。八時前、一見の客が入ってきた。ひと目で金にならない客だとわかった。だが、下働きの健司が、その男をテレビで見たことがあると声をひそめた・・・・・・。
「寿し辰のいちばん長い日」
posted by くまちゃん at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 文芸2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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